転職は内定後から撤退戦の始まりです


私はそこそこのブラック企業に勤めてました。こそこそとバレないように転職活動に勤しみ、ようやく実を結ぼうとしています。

これは私の撤退戦の記録です。

そう……大失敗した撤退戦の記録です。

間違っても「エイドリアン」なんて叫んではいけません

いくつになって合否の発表はどきどきするものです。仕事中、「そろそろ合否の連絡が来るころかな」と思ったとき、携帯が震えました。こっそり確認すると、面接を受けた会社からです。素知らぬ顔で席を立って、トイレに行きます。

合格の電話でした。

思わず「エイドリアーン!」と心の底から叫びそうになります。しかし、そこは会社のトイレです。私はグッと我慢しました。その結果、勝利の雄叫びこそしませんでしたが、ガッツポーズが止まらなかったのです。何度も何度もガッツポーズをしていきおいでガンガンとトイレの扉を叩いてしまいます。

ひとしきり声を噛み殺して喜んだ後、トイレを出ます。

……仲のいい後輩がニヤニヤしながら立っていました。

私は仲のいい後輩だから助かりました。もし、敬遠の仲の上司だったり、その上司の一派だったりすると、退職はこじれにこじれていたでしょう。

皆さん、合格の連絡があっても決して態度に出してはいけません。いつものように疲れた顔でいてください。内定の電話から戦いのゴングは鳴るのです。

ゴジラ(会社)VS人類(私)

「(上司)お前、12月に退職したいって引き継ぎどうするんだ」

「大丈夫です。有給休暇消化なんて考えずギリギリまで出社して引き継ぎします!」

「(経理の人)12月に退職すると、会社の規定でボーナス出せないけどいい?」

「はは、無問題です」

はい、人類(私)がゴジラ(会社)に敗北した瞬間です。

皆さん、「俺は大丈夫だ」って思ったでしょう。私も思っていました。

しかし、目の前に天国があるのです。今は血の池地獄にハマっています。もうそこから這い出ることしか頭にありませんでした。何もかも捨てて退職に全力疾走した結果がこれです。

これ今でも後悔しています。社会人になったら長期の休みなんてありません。有給休暇はそれこそ腐る程あったのです。お金にしても、「あのお金があったらあれ買えたのにな」ってなもんです。

皆さんは状況に流されないでください。全力で有給休暇を取り、ボーナスももらって、なんなら今まで申請していなかった残業代も請求してください。

(何事にもやりすぎはいけません。退職が危うくなりそうなら、すぐに手を引いてください)

余談ですが、最後のあがきで最後の一週間休みましたが、上司にたっぷり嫌味をもらい、「なんでお前なんかを採用したんだ、人事は」とありがたいお言葉をいただきました。私は心の中で(その言葉そっくりそのまま返します)と呪いをかけておきました。

最後の日

会社から出て、夕陽をバックに私は会社を振り返って見ました。しっかりと心の中で写真を撮ります。ついでに今まで手に触れることができなかった、こんなこと、あんなことを撮影した心の中のフィルムを現像します。

皆さん、そんなブラック企業なんて忘れた方がいいと思う人が多いでしょう。

違います。ブラック企業での「苦行」が、ブラック企業で得た最も価値のあるものなんです。

今の会社は、ブラック企業とは比べものにならないほどいいところです。しかし、もちろん嫌なこともありました。そんなとき、心の中で現像した写真を取り出し、まじまじと見つめるのです。「あのときと比べたらこんなの屁でもない」と気持ちが随分と軽くなります。

猿でも分かる引き継ぎマニュアルを作っとけ

平和な日々を過ごしていた、ある日、携帯に前の会社から着信があります。正直取りたくなかったのですが、一社会人としての義務感から取ってしまいました。

「先輩、助けてください……〇〇さんが急に辞めてしまって、私に△△の仕事を押し付けられて……」

泣きそうな後輩の声でした。

私は「あちゃー」と頭を抱えます。それは元々私の仕事でした。引き継ぎマニュアルも作ってあります。しかし、それは〇〇さんの知識と経験を前提としたものです。後輩は仕事できる方ですが、あの引き継ぎマニュアルでは分からなかったのです。

皆さん、退職するとき、この業務はあの人に、この業務はこの人に、とイメージするでしょう。そのイメージした顔をお猿さんに変えてください。前提条件を作らず誰にでも分かるような引継ぎマニュアルを残してあげてください。

教訓

1 退職時は冷静に作戦行動を取る!

2 罪のない後輩に苦労をかけない!

それでは皆さんの華麗な撤退戦を期待しています。

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