私は中学、高校をがんばりすぎました。いい大学に入れたものの、いつも小うるさい親元から離れた大学生活、何にも縛られない自由な環境に、ついはっちゃけちゃいます。気づけば、単位ギリギリ、単位を取りつつ、大学に泣きついて、なんとか就職先をゲットします。卒業間近でした。
「残り物に福がある?」
「大ウソですよー。入った会社まっくろくろすけ(ブラック企業)でしたよー」
「まぁ、落ち着いて、とりあえず、3年は働かないといけないってよく聞くから働くかー」
さぁ、私はまっくろくろすけで働けたのでしょうか。
目次
ハーブティー課長とコーヒーパイセン
今から少し信じられない話をしますね。
私のはじめての課長は、会社で唯一の役職を持った女性でした。バリバリのキャリアウーマンって感じです。その分、多大なストレスを抱えていたんでしょうねー。怒鳴ってばかりいました。
怒鳴るときの特徴がありまして。怒鳴る前にハーブティーを必ず飲むんです。はじめはフローラルな香りに少し和みました。でもすぐそんなことはなくなりました。
「コト(水筒の蓋を外す)、コプコプ(コップに注ぐ)、ゴックン(ハーブティーを飲む)、○○さん、これどうなってんの⁈」
怒鳴り声はハーブティー課長が満足するまで続くんです。頭のキレる人だったので、下手に言い返すと「倍返しだ」ってもんです。
すぐに水筒の蓋を外す音が嫌いになりました。気分はパブロフの犬ですよ。
もう1人特徴的な人がいまして。コーヒーパイセンです。コーヒーが好きな人で、自分でブレンドしたコーヒーを持ってくるんです。何度かご相伴に預かりましたがとても美味しかったです。性格も温和で、この会社の唯一の良心といってもいい人です。
(ハーブティー課長は、ハーブティーを飲ませてくれなかったか、だって?そんなの聞くまでもないじゃないですかー)
しかし!二人が同時に水筒を開けたときの匂いは強烈でした。笑い事ではなくて、本当に。すぐ慣れましたけどね。
ん?残業代って都市伝説じゃないの?本当に?
就職して半年後の大学の同級生の飲み会で衝撃の事実が分かったんです。友だちは残業代が出ていたんです!
え、当たり前じゃないかって?
はは、うちの会社は定時になったらすぐ帰るハーブティー課長がみんなのタイムカードを押すんです。しかも、バレないように日によって押す順番も変えていましたよ。はじめての会社だったし、みんな何も言わないから、疑問になんて思っていませんでした。
帰る時間?
終電間際ですよ。当たり前じゃないですか。
冗談はさておき、周りとの違いに気づいた私はすぐに会社を辞めました。
さようなら、ハーブティー課長。
さようなら、コーヒーパイセン。
君たちのことは忘れないよ。
前の会社にいたのは結局7カ月ぐらいっス。
退職した理由?これまた難易度が高いものを……
「(下を向き、指で目を軽く突く、痛いわ、と心の中で叫びながら)前の会社では、掃除と雑用とお茶汲みしかさせてもらえませんでした。ここではダメだと思い……」
まー退職理由を聞かれたときは辛かったです。「前の会社がまっくろくろすけだったんです(ニッコリ)」なんて言えませんから。
1年未満の退職はおススメできるか
なんとか当時人材不足と言われていたIT会社に入れました。ふつーです。ハーブティー課長なんてへんな人いません。タイムカードを勝手に押すバカやろうもいません。残業代もふつーにでます。
そんなこんなで何年か経ったころ、後輩の面倒を見ることになりました。といっても、先輩の補佐でいないときに声かければいいという気楽なもんです。
しかし、この後輩、文系の大学を出ていて、正直センスがない。
わかわかめなプログラムをスッパゲティコードというんですが、これを料理しまくるんです。私はそんなに食べれないよー。まぁ、長い目で見るかー。
【半年後……】
大して変わってないですやん!
もちろん成長はしていますよー。
さて、そんな後輩くんに転職をおススメできるかと言われれば、ハッキリいって微妙です。今の会社はふつーです。もう少し頑張れば、花開くかもしれません。下手に転職して紅茶部長とかに遭遇したらシャレになんないです。
(でもコーヒーパイセンのコーヒーはまた飲みたいかも……)
同じような境遇の方へ
1 会社がまっくろくろすけならすぐに逃げてー
2 そうでないならじっくり考えて
3 それでも辞めるなら退職理由はしっかりでっちあ……考えてね
それでは皆さんがいい会社に巡り会えるのを祈っています。
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